この映画はこんな人におすすめ
・ホラーの中にも笑いを求める人
・ポップコーン片手に気楽に映画を観たい人
・観る人を驚かせる「仕掛け」のある映画が好きな人
『キャビン』の作品情報(監督・キャスト・あらすじ)
日本の公開日 | 2013/3/9 |
監督 | ドリュー・ゴダード |
脚本 | ジョス・ウェドン ドリュー・ゴダード |
キャスト | クリステン・コノリー クリス・ヘムズワース アンナ・ハッチソン リチャード・ジェンキンス |
原作 | |
音楽 | デヴィッド・ジュリアン |
あらすじ
女子大生のデイナは、友人たちと山奥の別荘で週末を過ごすことに。
キャンピングカーに食料やアルコールを積み、これから始まる楽しい週末に
期待を膨らませていましたが、たどり着いたのは古びたコテージでした。
部屋の中には不気味な絵画や古い家具が残されたままになっていて、薄気味悪い雰囲気です。
気を取り直して仲間たちと過ごしていると、デイナは地下室である日記帳を見つけます。
そこには拷問や殺人を繰り返していたある一家の、おぞましい日常と謎の“呪文”が書かれていました。
ーーそれは決して口にしてはいけない呪文でした。
「この映画のここが面白い!」(ネタバレなし)
若い男女グループ、パーティー、不気味なコテージ、呪文・・・
ストーリーを読まれた方はこう思われるかもしれません。
「どこかで見たような話だなあ。」
登場人物もウブなヒロイン、チャラ男、真面目くん、お調子者キャラ、ビッチガールとド定番です。この映画にはホラー映画の“あるある”があちこちに散りばめられているのです。
呪いの言葉を唱え、殺人鬼一家のゾンビを呼び醒ましてしまった主人公たちは身の毛もよだつ恐ろしい目にあいます。もちろん最初に襲われるのはチャラ男と森の中でイチャついていたビッチガールです。
とても分かりやすい展開で話は進んでいきます。
が、しかし!この映画の斬新なところはここからです。
この“ホラーな状況”は、実はある“機関”によって人工的に作り出されていたのです。
彼らはホラーのシナリオを作り、その通りに主人公たちが動くようハイテク機器を駆使して完璧にコントロールします。
さらに物語は思わぬ方向へ転がって行き、怒涛の勢いで進みます。ネタバレしてしまうと台無しなのでここで止めておきますが、この展開は未だかつて誰も予想できなかったのではないでしょうか。
「そう来たか!」な結末をぜひ楽しんでください!
ネタバレ解説&考察
主人公たちが山奥のコテージで殺人鬼一家のゾンビに襲われる一方で、その“ホラーな状況”を作り出す謎の機関の様子も同時に描かれます。
一見するとドッキリ番組の仕掛け人のようにも見えますが、化け物も殺人も本物です。彼らはゾンビから幽霊からモンスターまで、あらゆるホラー映画に登場する化け物を厳重な設備で管理し「主人公たち」を襲わせます。
主人公たちはシナリオ通りに行動するようコントロールされ、実際に次々と殺されていきます。
何のためか? それは太古の神々を鎮めるため。
「主人公たち」が無残に殺され血が流れれば、この世は安泰。逆に失敗すれば、神々が眠りから覚め、人類は滅びてしまいます。機関の仕事は“ホラーな状況”をお約束通りにつくり出し、生贄を捧げる儀式を遂行することだったのです。
この設定により、うかれた男女が主人公だったり、途中ガソリンスタンドで怪しい男が登場したり、お色気シーンがあったりとホラー映画にありがちな要素が出てくることで、逆にこの映画の面白みは増していきます。
中には「太古の神々」が出てきたところで話が突飛に感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、捉え方によっては「太古の神々=私たち(観客)」「謎の機関=映画製作者」を表しているともとれます。
私たちはホラー映画に恐怖やバイオレンス、お色気的要素を求め、楽しみます。非日常を体験することでスカッとしたり、ストレスを発散したりしているのかもしれません。それはフィクションの醍醐味とも言えます。
もしもこの世にホラー映画(生贄)がなくなってしまったら、太古の神々(観客)が怒り狂い、この世が終わる(恐怖や暴力が現実世界で起こる)かもしれない。
そうなることを防ぐために機関(映画製作者)が日々頑張っている、という見方をすると興味深いです。
ですが、そこまで深読みせずともこの映画はエンターテイメントとして楽しめます。
特に、散々な目にあったヒロインのデイナが、保管されていた化け物たちを解き放ち逆襲するシーンは痛快です。また登場する化け物たちは「ヘル・レイザー」や「シャイニング」「リング」など様々なホラー映画のオマージュであることがわかります。
まさしく作り手の映画愛が詰まった、ホラー好きのホラー好きによるホラー好きのための映画と言えるでしょう。
『キャビン』のラスト 結末の意味
お約束通りに殺されるはずだったお調子者のマーティが実は生きていたことで、儀式は失敗に終わりそうになります。太古の神々は目覚めつつあり、地鳴りが轟いています。
機関の館長はデイナに「夜明けまでにマーティが死ねば人類は救われる」と言い、彼を殺すよう仕向けます。
一度はマーティを殺そうとするデイナですが、乱入してきた狼男に噛まれて怪我を負ってしまいます。さらに館長が襲いかかり、もみ合いの末マーティが生き残ったことで人類の滅亡が決定します。
瀕死のデイナとマーティは互いを許しあい、タバコを吸いながら最期の時を待ちます。
ラスト、コテージから巨大な神の手が飛び出て終わります。
【映画の豆知識】
映画の豆知識について
◉週末をコテージで過ごしに来た男女が、呪いを解き放ってしまい悪霊に襲われる、というシナリオは1981年に製作されたサム・ライミ監督の「死霊のはらわた」が元ネタになっています。コテージや地下室の雰囲気などオマージュされている点が多々あり、比較してみるのも面白いです。
◉終盤に登場する機関の館長役を演じているのは「エイリアン」のシガニー・ウィーバーです。大女優のまさかの出オチとも言える出演は劇場公開当時、ストーリーと直接関係ないもののネタバレ要素の一つになっていました。
当映画が好きな方へのおすすめ
◉「ゾンビランド」:ルーベン・フライシャー監督
ソンビ映画のあるあるネタを詰め込んだ、笑いあり青春ありのロードムービー。
◉「ゲット・アウト」:ジョーダン・ピール監督
想像の斜め上をいく展開を楽しんでください。
◉「スペル」:「死霊のはらわた」のサム・ライミ監督。
ホラーの中にも笑える要素があり、最後の最後まで目が離せません。
映画『キャビン』の動画を無料視聴できるサイト
動画配信サイト | キャビン | 無料期間 |
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※配信情報は2020年4月時点のものです。現在の配信状況は各公式サイトをご確認ください。○=見放題視聴 △=課金視聴 ×=なし