この映画はこんな人におすすめ
一度観たら何度も観返したくなるミステリーを求めている人
『シャッターアイランド』の作品情報(監督・キャスト・あらすじ)
日本の公開日 | 2010年4月9日 |
監督 | マーティン・スコセッシ |
脚本 | レータ・カログリディス |
キャスト | レオナルド・ディカプリオ マーク・ラファロ ベン・キングズレー ミシェル・ウィリアムズ エミリー・モーティマー |
原作 | デニス・ルヘイン |
あらすじ
連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)と相棒のチャック・オール(マーク・ラファロ)
二人は、調査のためにボストンハーバーの孤島シャッターアイランドへと訪れます。
そこは精神障害の凶悪な犯罪者を収容する精神病院で、レイチェルという一人の女性が行方不明となったのです。
テディたちが病院と島を調査していくと、やがてテディは病院側に陰謀があることを感じ取ります。
それを暴こうとテディは奮闘するのですが、そこには思いもよらないことが待ち受けていました。
「この映画のここが面白い!」(ネタバレなし)
「正気は狂気でもある」
あなたが正気を持った行動や言動が他人から見たら狂気である。そんなことを考えたことがありますか?
この映画はそれを見せてくれます。
映画は、マーティン・スコセッシ監督とディカプリオがタッグを組んだ4作目の作品です。
原作は「ミスティック・リバー」でアカデミー賞を受賞したデニス・ルヘインが原作です。
それだけでも、この映画に魅力を感じます。
他の映画と違ってこの映画が特に優れているのは、何度も観返すことで内容が変わってくるということです。
そして、二回目を観てその答え合わせを自分でできるというのがこの作品の特徴です。
この映画を観終わった後に、もう一度観たいと思うはずです。
通常のミステリー映画だと理解が出来ない、答えがわからないからもう一度観るということが多いでしょう。
この映画は違います。
一度観て、答えがわかった状態で、もう一度観て、だからこの答えだったのかと納得できるのです。
ラストのどんでん返しの魅力
実に計算尽くされた巧妙なオチですし、それまでに至る伏線もしっかりしています。
登場人物を演じている俳優全員の視線、動き、台詞、全てが伏線となっています
一番興味を引かれるのは、俳優が演技の中で演技をしている。ということです。
そして、最後の台詞こそが映画の最大の魅力です。
観た人の解釈によって、美しい映画なのか悲劇の映画なのか、どちらにも捉えることが出来ます。
その答えはきっとあなたの心に深く残ることでしょう。
ネタバレ解説&考察
伏線のはりめぐらし
この映画を観終わったら何回も観て頂きたいです。最低でも、もう一度観て頂きたいです。
次は脇役の立場から映画を観ると、この映画が、実は単なるサスペンスではないことがわかります。
例えば、連邦保安官が調査にきたのに、警備員は協力的ではありません。
テディに銃を差し出せと命じたのに対し、自分たちは銃を持ちながら警戒をしています。
調査のために集められた病院のスタッフも迷惑そうです。
二回目を観るとその意味が良くわかるはずです。
テディ・ダニエルズ
ですが、それ以上に医師たちが、テディを何とかしようという熱く深い気持ちもわかるはずです。
相棒であるチャックはいつもテディの側にいて、その表情は彼を心配して、守ろうとしています。
コリー医師もテディの調査に出来る限り協力していますが、本当は悪人ではないのかと疑問をもつはずです。
それが、実はテディを救おうとしていた善人だったという演技力も演出も素晴らしいです。
特に、ラストシーンのチャックとコリーの表情は、観たこちらの気持ちが締め付けられるほどです。
二度観て、その感動を味わってもらいたいのです。
技術的にも映画内に違和感を感じさせるような工夫がされています。それはカットの繋ぎ目です。
よく映画を観るとわかるのですが、カットが雑な場面が多いのです。
カットが変わると、二人の立ち位置が変わっていたり、顔の向きが微妙に変わっていたりします。
患者と話しをしているときに、患者が右手で水を飲むふりをして左手で置くというカットもそうです。
プロの映画ではこれは明らかにNGです。しかし、これは観客に違和感を与えるための演出です。
映像や、俳優の些細な動き、目線。全てが繋がっています。そこに注意してみると新たな発見があります。
【以下 ネタバレあり】
ファーストシーンで映画の答えがほとんど出ています。
冒頭のテディが水で顔を洗い、鏡を見ているシーンがあります。
まず、水を嫌いというのは自分の子供が溺死したことへのトラウマです。
そして、鏡を見ているのはもう一人の人格がいることの表れです。
テディの頭に絆創膏が張られているのは、自分のトラウマ(真実)を隠しているからです。
後半でテディがシャワーを浴びているシーンから絆創膏は外されています。その後にテディは灯台に行きます。
これは、灯台に行きトラウマ(真実)が暴かれるために絆創膏が外れたのだと解釈出来ます。
そして、水が現実と真実なら、対照的な火は幻想や妄想です。
テディの妻であるドロレスが夢や幻想に表れるときには火に囲まれています。
C棟でジョージ・ノイスと会って話しているときもそうです。
マッチの火を点けるごとにドロレスという幻想が表れ続けるのです。
洞窟で出会う女性医師も幻想です。洞窟の中にある焚火がそれを象徴しています。
証拠として、コリー医師はそんな女性はいないと否定しています。
「4の法則、67は誰?」
これはラストに容易に説明されています。4の法則とは、エドワードとレディス、レイチェルとドロレスが同一人物であることを差し
ています。
67は誰?というのはテディのことです。彼は妻を殺したアンドリュー・レディス本人です。
テディが暴こうとしいていた精神病院の謎というのは妄想で、実は、テディが精神病患者だったのです。
そして、相棒のチャックはシーアン医師でテディの為に島全員がロールプレイ療法のために演じていたのです。
主人公が実は犯人だった、実は死んでいた、というのはよくある話です。
ですが、主人公が精神病を患っていて、治療の為に主人公の妄想に周囲全員が演じるというのは稀な話です。
『シャッターアイランド』のラスト 結末の意味
ラストで、テディとシーアン医師が話をします。
「どっちがマシかな、モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか」テディの最後の言葉です。
この言葉をどちらの解釈にするかで映画の観終わった印象が変わります。
テディが、自分が殺人者だということを知らずにまだ空想の人物でいるのか。
それとも自分がアンドリューだという現実を知っているのか。ということです。
私は、テディはアンドリューのままだったと思います。全てを知っていたのです。
だから、罪を償うために、善人としてロボトミー手術を受ける選択をしたのです。
【映画の豆知識】
【映画の豆知識について】
映画内で出てくるロボトミー手術というのは1940年代から1960年代まで使われていた精神外科手術です。
当時は抗精神病薬がまだ発明されておらず、不安や興奮をなくすためにこの手術が盛んに行われていました。
ただ、副作用として、人格を破壊されて廃人同様になることも多かったことから衰退していきました。
【あのシーンの意味】
エドワード・ダニエルズって誰?テディ・ダニエルズでしょう?と思わる方もいると思います。
テディというのは、要はあだ名です。テディの本名はエドワード・ダニエルズです。
【当映画が好きな方へのおススメ】
「ミスティック・リバー」 クリント・イーストウッド監督
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