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サスペンス/スリラー

映画『セブン』のあらすじとネタバレ考察【動画フル無料視聴】

この映画はこんな人におすすめ

映画「セブン」は、陰惨な殺人事件により、都市社会の暗部を浮き彫りにした、陰惨な物語です。

昔、陰惨な犯罪事件や、社会の暗部を浮き彫りにした映画のことを、フィルム・ノワールと呼んでいました。ノワールといはフランス語で「黒」を意味しています。

これはハリウッドでサスペンスを作っていたのはフランス人が多かったからです。(西部劇はイタリア人が作っていたのでマカロニ・ウエスタン)

本作も陰惨な殺人事件によって浮き彫りにされる、都市社会の闇を描いたノワール映画であり、ダークなサスペンスやミステリーを好む方や、都市社会の裏側で起こる犯罪をテーマにした映画が好きな方にお勧めです。

『セブン』の作品情報(監督・キャスト・あらすじ)

映画のキャスト

日本の公開日1996年1月
監督デビッド・フィンチャー
脚本 アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー
キャストブラッド・ピット
モーガン・フリーマン
グウィネス・パルトロー
R・リー・アーメイ
リチャード・ラウンドトゥリー
音楽 ハワード・ショア

あらすじ

ストーリー    

退職間近の老刑事サマセット(演:モーガン・フリーマン)、若く野心家の刑事ミルズ(演:ブラッド・ピット)の二人は、陰惨な都市で起きたとある連続殺人事件の捜査に乗り出しました。

最初の被害者は、雨の降りそそぐ、月曜日に発見されました。

被害者は極度に肥満体の男で、足を鎖で拘束され、大量の食物を食わされた状態で発見されました。そして、胃が張り裂けそうなくらい食わされてから、腹を強く蹴られて死亡したのです。

被害者は司法解剖に掛けられ、体内を調べていくうちに、プラスチック片が発見されました。

火曜日、次の被害者は弁護士のグールドで、彼は肉を切り落とされ出血多量で死んでいました。そして現場には血で「GREED」(グリード 強欲)と書かれていました。

サマセットは、太った男の死体発見現場を調べていると、冷蔵庫付近の床に、擦った後が見えました。そして、パズルをはめるが如く、発見されたプラスチック片をあてはめ、犯人の仕業とわかると、サマセットは冷蔵庫を動かしました、すると「GLUTTONY」(グラトニー 暴食)の文字が書かれていました。

文字の他にメモ紙も貼られていて、そこにはミルトンの失楽園の一節「地獄より光に至る道は長く険しい」と書かれていました。

サマセットは、この二つの事件はつながっており、犯人が現場に残した文字と、メモ紙に書かれた失楽園の一節から、彼らは7つの大罪になぞらえて殺されたのではないかと思いました。

「この映画のここが面白い!」(ネタバレなし)

ユニークポイント

七つの大罪と連続殺人

物語はミルズとサマセットの二人の刑事が、キリスト教における人間が本来持っているという七つの大罪、「暴食」、「強欲」、「怠惰」、「色欲」、「高慢」、「嫉妬」、「憤怒」になぞらえた殺人事件を捜査するというものです。

ベテランと若手のコンビが活躍する刑事ドラマと言えば、リーサルウェポンのように痛快なアクションを期待されがちですが、本作は、情報収集と物証を元にして、捜査を行うという、冷ややかなくらいのリアリズムを徹底させています。

それでも、野心家で派手な活躍をしたがるミルズと、冷静で思慮深いサマセットの掛け合いは大変面白いので、バディものとしても十分に楽しめます。

ニューヨークの陰鬱さを違和感なく表現

本作には、キリスト教の7つの大罪や、ミルトンの「失楽園」の引用など、難解な話も多いのですが、難しいことを考えなくても、臓腑をえぐる不気味な事件を扱ったスリラーと見ても楽しめます。

この映画で興味深いのは、記述するのもはばかれるほど、陰惨な事件が発生しているにもかかわらず、街を暗く、汚く描写しているためか、そうした事件が起きても違和感を感じることなく見ることができてしまいます。

本来、日常と非日常(犯罪事件)の二つの要素は対比させて描写させるものですが、本作の舞台となっている都市では、犯罪が日常の一部となっていることを意味しているのです。

そして、そこに住んでいる人々も、見て見ぬふりをする方が楽と言わんばかりに、無関心を決め込む大衆の中に、恐ろしい犯罪の芽が潜んでいるということを本作は物語っているようです。

ネタバレ解説&考察

映画の解説

一番興味深いのは、犯人の正体が最後まで分からないということです。彼は最後には姿を現し、自ら「ジョン・ドウ」と名乗りますが、名前は偽りの物でした。

被害者とはいかなる関係なのかもわからず、犯行の動機もまるでわからず、ただ目についた不快な人間を七つの大罪に見立てて殺しているようにも見えます。

他に注目してほしい場面で、サマセットがミルズの家に食事に招待される箇所があります。

その場面では本作の中でも唯一といってもいいくらい、ほのぼのとした場面で、一同が食事の席について、談話しているときに、地下鉄の振動のせいで、部屋がガタガタ揺れてしまいます。

この場面以外でも、煩わしいほど降り注ぐ雨の音、サマセットが上司と話をしているときに、職人がガラス窓のシールを剥がす音、上司のデスクにかかってくる間違い電話など、まるで何かを妨害するかの様に、「雑音」が鳴り響いてくるのです。

そうした雑音は、平穏な日常を妨害するものの象徴であり、聞こえないふりをして、無関心を決め込む大衆のための「方便」にも思えます。

『セブン』のラスト 結末の意味

ラストシーン・結末

ミステリーだと犯人の正体を探偵や刑事が割り出して事件解決というパターンですが、この作品はそんな生やさしい結末は待っていません。

ジョンは捕まっても、己の正体を明かそうとはせず、話すことは見て見ぬふりを決めこむ大衆への怒りの言葉ばかりでした。

そして、彼は、最後にミルズとサマセットに、己の犯した最後の事件を明らかにしますが、それはこの事件の中で、最も悲惨な事件でした。

その真実を目の当たりにした最後のミルズの行為、それは、人間は7つの大罪から逃れらないということを、暗示しているようです。

【映画の豆知識】

豆知識

映画の豆知識について

犯人が名乗った「ジョン・ドウ」と言うのは、日本でいう所の「名無しの権兵衛」という意味合いで、アメリカでは身元不明の死体に仮呼称として、名付けることがあります。

劇中で、サマセットが図書館で調べ物をしている場面を注目していただきたいのですが、これは本作の脚本家である、アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーが本作の脚本を書き上げた逸話が元になっているのだはないかと筆者は思います。

彼はニューヨークで映画に関わる仕事を夢見ながら、普段はビデオショップで働き、図書館で調べ物をしながら脚本を書き上げたそうです。

日々、犯罪が行われるニューヨークはウォーカーに衝撃を与え、本作に大きな影響を与えました。(ただし、映画のロケ地となったのはサンフランシスコ)

一方、監督のデヴィット・フィンチャーは、制作した映画が興行的にうまくいかず、意気消沈していたところに、ウォーカーの脚本を読み、監督をやってみる決意をしたそうです。

本作の監督はデイビッドフィンチャーですが、オープニングクレジットはカイルクーパーが手掛けています。彼は後に「スーパーマン」や「ゴジラ」(2004)「スパイダーマン」、「ウォーキング・デッド」などの作品に携わっています。

当映画が好きな方へのおすすめ

「M」 フリッツ・ラング監督作品

幼女ばかりを狙う、不気味な連続殺人事件。その背景として浮かび上がっていく当時のドイツ社会の問題点。

「セブン」でサマセットが非合法のやり方で捜査したように、本作も非合法なやり方で、犯人を捜査する点に共通項があります。

「ダークナイト」 クリストファー・ノーラン監督作品

次々と警察を出し抜き、恐ろしい犯行を繰り広げる正体不明の犯罪者ジョーカーと、それを追う、ゴッサムシティの守護者「バットマン」とゴッサム市警の刑事ゴードンによる善と悪の対決。

アメコミヒーロー「バットマン」の実写化で有名な作品ですが、ノワール映画としても見ることができます。

正体不明の犯罪者ジョーカーが、ゴッサムシティの腐敗が人の形になって現れたようにも見え、人間の本質的な「悪」とは何かを問いかけるような作品です。

「ミュージアム」 大友啓史監督作品

家庭に問題を抱えた刑事が、生きたまま犬に食わされたという死体についての捜査を行います。現場にはメモ紙が残されていた。そして同様の殺人事件が起き、刑事は捜査を続けていくが、思わぬ真実が待っていました。

現場にメモ紙を残し、陰惨な殺人事件を行うという、「セブン」の影響をが見え隠れする作品です。漫画が原作であり、こちらもお勧めです。

 

映画『セブン』の動画を無料視聴できるサイト

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