この映画はこんな人におすすめ
恋人との苦い思い出がある人
忘れられない恋がある人
恋愛哲学に興味がある人
『エターナル・サンシャイン』の作品情報(監督・キャスト・あらすじ)
日本の公開日 | 2005年3月19日 |
監督 | ミシェル・ゴンドリー |
脚本 | チャーリー・カウフマン |
キャスト | ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット キルスティン・ダンスト イライジャ・ウッド マーク・ラファロ トム・ウィルキンソン |
音楽 | ジョン・ブライオン |
あらすじ
平凡な男ジョエルは目覚めの悪い朝を迎えたその日、会社へと行く途中に衝動に駆られ逆方向の電車へと乗り込み“モントーク”という場所に向かう。
恋人と別れたばかりのジョエルはそこで偶然にも風変りな女クレメンタインと出会い、親しくなる。
お互いのことを変わり者だと言う二人はどこかで出会ったことがあるらしいが、よくは分からない。
異常なほど急接近する二人は恋人のように時間を過ごし、朝を向かえるが・・・。
「この映画のここが面白い!」(ネタバレなし)
天才脚本家といわれるチャーリー・カウフマンと映像の魔術師といわれるミシェル・ゴンドリーの映画です。
実はジョエルとクレメンタインは恋人同士だったのですが、喧嘩をしてしまい、怒ったクレメンタインがジョエルとの思い出を消してしまうことから物語は始まります。
喧嘩の後、ジョエルは勢い余って暴言を吐いてしまったことを謝りに行くのですが、クレメンタインはジョエルのことをまるで全く知らない他人のように扱います。
激高するジョエルですが、彼女が自分との思い出の記憶除去手術を受けたことを知り、ショックを受けます。
そして自分も同じように彼女の記憶を消し去ろうとするのですが・・・。
この映画はジョエルとクレメンタインの恋愛、そして記憶除去手術を行うラクーナ社で働く人々の物語です。
ネタバレ解説&考察
ユニークなオープニング構成
平凡な日常と風変りな出会いではじまるオープニングですが、このオープニングとは真逆な物語が展開していきます。
この映画についてまったく知らなかった人はきっと驚いたことでしょう。
これは男女が出会って恋に落ちる映画ではなくて、恋に落ちた後の男女の物語です。
プロローグの後は、急に時間が遡り、観客は置いてきぼりになってしまう構成になっています。
よく分からない!と思った方も多かったかもしれませんが、大丈夫です。
物語を観ていくうちに、ジョエルの周りで何が起こっていくのかわかっていくことになります。
不思議な物語の設定はとてもリアルな日常
そしてこの物語はほとんどが、ジョエルとクレメンタインの日常の物語やそれまでの出来事を描いているのではなく、「ジョエルの脳内で繰り広げられている物語」というのがポイントです。
ジョエルの頭の中でクレメンタインは登場し、ジョエルが持つクレメンタインの思い出を通して二人の出会いや二人の体験が描かれます。
物語の時系列は前後しますが、それは髪色を気分でよく変えるというクレメンタインの髪を見ればわかりやすくなります。
そしてさらにこの映画でポイントとなっているのは、ラクーナ社に務めるイライジャ・ウッド演じるパトリックという男です。
この男は、オープニングから映画がはじまる時にすぐに登場し、物語のスパイス的存在です。
パトリックは記憶除去手術に来たクレメンタインに恋してしまい、ジョエルとの思い出をつかって彼女を自分のものにしようとしている「思い出を盗んでいる男」、「なりすまし男」と言えるでしょう。
面白いのが、彼はクレメンタインのパンツすら盗んでしまっているのです。
しかし、非モテ男のパトリックがジョエルとの思い出を盗用しながらクレメンタインを落とそうとすればするほど、実は正反対の性格にみえるジョエルとクレメンタインの相性が良いということ、そして二人がお互いを好きだということが明るみになっていきます。
パトリックがジョエルの渡せなかったバレンタインのプレゼントを自分のプレゼントとしてクレメンタインに渡すシーンでは、そのプレゼントが彼女にとってとても好みだったことが分かります。
その時クレメンタインは、「私の好みを当てた男ははじめて」という言葉を言い、パトリックを不思議に思うのです。
消されていく思い出の中での抗い
一方で、未練たらたら男のジョエルは、クレメンタインを自分の別の思い出の中へと匿うという荒業を成し遂げます。
クレメンタインが存在しない記憶の中へと逃げることを提案すると、ジョエルは「君が存在しない場所なんてない」と言い、ジョエルがいかにクレメンタインを思っているのかがわかってきます。
また、このジョエルの荒業によって、ラクーナ社に勤めるメアリーが実は自分も記憶除去手術をしていて、ハワード博士と恋仲だったことが発覚します。
このことから、ジョエルとクレメンタインが結末を迎える前に、いかに記憶除去をしても感情・心までは忘れさせることができない、ということが分かります。
残念ながら記憶除去に成功したジョエルでしたが、その後退社したメアリーが患者だった人達にテープを送り告発したことによって、クレメンタイン同様に、自分たちが恋人同士であったことを知ることになります。
記憶除去をしていても、ジョエルは「モントークで会いましょう」というクレメンタインの言葉を覚えていました。
お互い相手への不満を語るテープ。
しかし、二人は「それでもいい」と言いまた二人一緒にいることを望みます。
『エターナル・サンシャイン』のラスト 結末の意味
何度もジョエルの記憶の中に出てきた雪の浜辺をかけていく二人。
何度も何度もこのシーンを繰り返します。
クレメンタインの髪の色は分かりません。
これは、二人が何度も何度も繰り返し歩んでいく姿だといえるでしょう。
恋愛は難しいし終わりがない、ということ。
そして、恋愛とは何かという哲学。
記憶は消せても感情まで消すことはできるのか、ということへの答え。
この映画にはこれらの内容がありました。
【映画の豆知識】
映画の豆知識について
2004年度のアカデミー脚本賞にミシェル・ゴンドリー、チャーリー・カウフマン、ピエール・ビスマスの3人が選ばれました。
当映画が好きな方へのおすすめ
記憶の淵で、心までは消せない! そんな映画を紹介します。
「かぐや姫の物語」 監督:高畑勲
「インセプション」 監督:クリストファー・ノーラン
「バタフライ・エフェクト」 監督:エリック・ブレス
この記事のライター・Uzura
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※配信情報は2019年6月時点のものです。現在の配信状況は各公式サイトをご確認ください。○=見放題視聴 △=課金視聴 ×=なし